| Class | Description |
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江戸期の高崎には西上州の特産品が集まり、とくに生絹や玉糸を原料とする太織の取引が多かった。一八世紀に入ると田町の絹市は常設店舗の他に、三越の前身である江戸の呉服問屋越後屋や白木屋をはじめ、近江商人の市田孫市の出店が並んでいた。その田町に隣接する寄合町に一八〇四（文化元）年、生糸、生絹、足袋を商う絹問屋中島伊平が誕生した。初代中島伊平は、碓氷郡原市の中島家の分家であり、屋号は福田屋である。
ニ代目伊平は、甥で嘉多町の上和田仙太郎が養子となり、後年「福高翁」といわれた人である。御用達となり、苗字帯刀を許され、「福田屋」を高崎屈指の問屋にした。一八四二（天保一三）年、恵徳寺より出火して大火となり、多くの町民が難渋したとき、被災者を救済するため私財を投ずるなど、社会事業に尽くした。
長野から奉公にきていた茂十が二代目伊平の娘（やす）の婿養子となり、三代目伊平となった。四代目伊平（重次郎）は四一才で没している。
二代目は三代目伊平、四代目伊平よりも長生きして一八九二（明治二五）年七月二六日に没した。そして、二代目伊平の経営者としての精神は、五代目伊平に大きな影響を与えることになる。
江戸期の高崎には西上州の特産品が集まり、とくに生絹や玉糸を原料とする太織の取引が多かった。一八世紀に入ると田町の絹市は常設店舗の他に、三越の前身である江戸の呉服問屋越後屋や白木屋をはじめ、近江商人の市田孫市の出店が並んでいた。その田町に隣接する寄合町に一八〇四（文化元）年、生糸、生絹、足袋を商う絹問屋中島伊平が誕生した。初代中島伊平は、碓氷郡原市の中島家の分家であり、屋号は福田屋である。
ニ代目伊平は、甥で嘉多町の上和田仙太郎が養子となり、後年「福高翁」といわれた人である。御用達となり、苗字帯刀を許され、「福田屋」を高崎屈指の問屋にした。一八四二（天保一三）年、恵徳寺より出火して大火となり、多くの町民が難渋したとき、被災者を救済するため私財を投ずるなど、社会事業に尽くした。
長野から奉公にきていた茂十が二代目伊平の娘（やす）の婿養子となり、三代目伊平となった。四代目伊平（重次郎）は四一才で没している。
二代目は三代目伊平、四代目伊平よりも長生きして一八九二（明治二五）年七月二六日に没した。そして、二代目伊平の経営者としての精神は、五代目伊平に大きな影響を与えることになる。